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「体調不良」からの脱却 (9) 鈴木修一著

体調不良からの脱却

<7>不眠症対策

(1) 不眠症になる原因

日頃睡眠をとりすぎていて夜眠れないとか、昼寝しすぎて夜眠れないというような“笑い話”は別として、疲れているのに眠れないという“不眠症”は、ほとんどのケースが自律神経のバランスの崩れです。
夜になったら、自律神経が活動モードの交感神経優位状態から休息/睡眠モードの副交感神経優位状態に切り換わる必要があるのですが、重労働や長時間残業による肉体的ストレス、怒りや悩みなどの精神的ストレス、薬の常用や多用による薬剤性ストレスなどで、長期にわたって交感神経過剰緊張状態になると、夜眠れなくなります。

(2) 睡眠薬は有効か?

結論から言いますと、睡眠薬に頼るとますます睡眠の質が悪化するので、使うべきではありません。デパス/ハルシオン/バルビタール/モルヒネなど、医者は「習慣性はないから」と言って、睡眠薬や麻酔剤として安易に使用しますが、10年も15年もデパスやハルシオンを手放せないという人はたくさんいます。
本来、副交感神経優位状態において眠りに入ると、質の良い睡眠がとれるのですが、睡眠薬の作用で交感神経を緊張させることによって、だんだん睡眠の質が悪くなり、長く服用するとだんだん薬の量や回数を増やさないと効かなくなってきます。

特にこれから結婚や妊娠予定の女性は、絶対に使ってはいけません。睡眠薬は脳細胞や神経に直接働きかけて物理的に眠らせるものですが、妊娠直前まで、あるいは妊娠してからも、こういう神経性の薬剤を使っていると、奇形児や障害児が生まれてくるリスクが高くなるからです。

(3) 不眠症対策

☆ぬるめの長風呂にゆっくりつかり、気分を切り換えて副交感神経優位の状態にする。
☆文明食をやめ、玄米/雑穀/豆類/ゴボウ/キノコなどを中心にした健康食に切り換える。
☆暇を見て“爪もみ”を頻繁に行ない、自律神経を副交感神経優位に切り換える。
☆吐く息をゆっくり長くした深呼吸も、末端の血流をよくして、副交感神経優位の状態に切り換えることができます。
☆ストレスが不眠の原因ですから、自分の仕事や生活からとにかくストレス要因(=働きすぎ/悩みすぎ/肉食過剰/クスリの飲みすぎ/冷え/人に対する怒りや悪感情/深酒/タバコの吸いすぎ/浅い呼吸の繰り返しによる酸素不足など)を遠ざけるようにします。
☆熟睡ホルモンのメラトニンを増やすために、太陽の光をなるべく浴びるようにして下さい。
☆心を落ち着かせるホルモンのセロトニンを増やすために、ゆっくりランニング/早歩きなどのリズム運動も有効です。
☆トマトのギャバには、成長ホルモンの分泌を促したり、ストレスを緩和させる効果があります。イタリア人の性格が陽気でおおらかなのは、トマトの多い食生活が一因との説があります。

- 完 -